AKAI MPC 60にStratos Technology製のSCSIインターフェースを増設する。

お待たせしました。弊社が企画した、MPC 60用のSCSIインターフェースの試作品が届きました。

もともと、MPC60のSCSIインターフェースが探していたのですが、MARIONのものが手に入り難いため、弊社で造ってしまいました。

MARIONのSCSIアダプター自体も問題点がいくつかあったため(当時の技術的な問題もありますが)、今回の試作で改良しました。

以下改良点。

・SCSIターミネータのヒューズを設置。

MARIONのものには、ターミネータ用のヒューズが付いていません。これは、あきらかに設計ミスと思います。ヒューズか、ダイオードは必ずいれないと、万一のときに、回路が燃えてしまいます。

・外部SCSI端子にターミネータパワーを出力。

MARIONのものには、外部SCSI端子(D-SUB端子)にターミネータパワーがでていません。これは、規格違反という訳ではないのですが、常識として、ターミネータパワーは出しておきます。

・SCSIターミネータをアクティブタイプにする。

これは、当時のターミネータの規格には、アクティブタイプのものがなかったのだと思います。今の規格のSCSI、SCSIケーブルだと、当然アクティブターミネータタイプになっています。

・内蔵ターミネータのOFFのジャンパーを設置。

本来MPC60は、HDDの内蔵はできない構造になっているので、ターミネータは固定で問題ないのですが、現在は、弊社のCF AztecMonster(後述)を内蔵可能になっているので、内蔵ターミネータをOFFする機能をつけました。

・基盤のアースをとる。

当たり前のことのようですが、しかしながらMARIONのものは、アースがとられていないようです。電源のマイナスのほかに、ちゃんとアースをとるようにしました。

CF AztecMonster用の取付け穴を設置。

これは、弊社のCFをSCSIに変換するアダプターカード、CF AztecMonsterを内蔵させる時に固定するための穴です。

・5Vの電源出力端子を設置。

これも、CF AztecMonsterを内蔵させる時のための電源端子です。

・内蔵SCSIケーブルを本来の50本のものに変更。

MARIONの内蔵SCSIケーブルは、25本なのですが、本来、SCSIケーブルは、50本であるべきでしょう。400mmもロジックボード上を這わせるのであれば、なおさらです。

・電源LEDをつける。

細かいポイントですが、あると安心です。

・高速タイプのSCSIチップを使う。

これも細かい点ですが、動作が安定します。

逆にこの試作品の問題点としては、

・価格が高い。

これは、この製品に限った事ではないのですが、ウチで企画したものは、だいたい高いと言われてしまいます。少量生産、半分手張りなので、ある程度仕方がありません。大量生産するのであれば、別ですが、ニッチなものを納得いくクオリティーで作ろうとするとこうなってしまいます。

・SCSIチップの供給が止ると、製造中止になってしまう。

これは、ウチのせいではないのですが、近い将来SCSI機器がこの世から消えてしまう運命なのは、確かです。SCSIチップの供給がいつまで続くのかは、未知数です。もしかして、明日にも数が買えない状況にもなりかねません。弱小メーカーの弱さで、大量にストックしておくことができないので(半導体は、ちゃんとした設備で保管しないと、ハンダ付けができなくなってしまう)、こればっかりは、どうにもなりません。

さて、ノーガキをつらつらと書いてしまいましたが、試作品を組込んで、使ってみます。

SCSIインターフェースには、Roger LinnのVer.3.10 ROMが必要です。

電源を切って、電源ケーブルを外して、MPC60本体を開けます。

◯印のネジと、ケーブル、コネクターを外します。

SCSIコネクターは、RS-232Cのコネクターを外して代わりに取り付けます。MPC60IIの場合には、鉄板を外します。

ケーブル、ネジ、コネクターを外しました。写真では、5V電源コネクターが外されていませんね。ちゃんと外しましょう。

SCSIインターフェースカードを取付けるスペーサーを取り付けます。

CPUボードからのフラットケーブルをSCSIインターフェースカードをさします。方向に気をつけてさします。

スペーサーにネジで、SCSIインターフェースカードを固定します。2点留めなので、不安定ですが、CPUボードからのケーブルで固定する感じになりますね。

SYNCケーブルを接続します。赤色の線が前から向かって右側になるようにします。

RS-232CのD-SUB 25ピンの代わりに、SCSIコネクター基盤を固定します。

SCSIインターフェースカードにSCSIコネクターカードからの50本のフラットケーブルを接続します。右側が赤の線が来るようにさします。

例によって、CF PowerMonster IIで動作確認をします。CFカードは、Trenscendの2GBを使います。Ver.3.10 ROMの仕様で、780MBまでしか使えませんが、いちおう、それでも動作が問題ないかも検証するため、あえて、大きい容量のものを使います。

DISKモードに、SCSIメニューが追加されます。

FORMATをすると、10秒ほどでフォーマットが完了します。(表示では、10分かかると表示されますが。。。)

書き込みをしてみます。書き込みはすこし時間がかかりますが、読み込みは、速いです。フロッピーで1分半ほどかかったファイルを1〜2秒で読み込みます。

CF AztecMonsterを内蔵できるように、取り付け穴と、電源コネクターが用意されています。

電源コネクターは日圧製のPHという型番のものです。

試作では、内蔵できるというだけで、ケーブルとかのキット化がまだです。これに関しては、また、次回。

AKAI MPC60のFDDを新品に交換する。

AKAI MPC60は、ウチに来た時からFDDが壊れていました。さすがに、FDDが無いと不便なので、いろいろ探したのですが、やっぱりありませんでした(メーカーにも、もちろんありません)。

どうも、MPC60とS950は、FDDが特殊らしく(詳しい人によると、FDDそのものが、標準というものがないらしいです)、ネットで紹介されているような、AT機用のFDDの改造では使えないようです。

そこで、あんまり気が進まないのですが、海外のFDDの専門の業者から取り寄せました。気が進まないというのは、値段はともかく、なんだかアヤシげだからです。新品があるということなので、高かったのですが、新品にしました。

連絡先はこちらです↓

http://floppy.shugart.free.fr/page.php?page=materiels/akai/mpc60/index.htm

新品、のようですが、なにやら改造がされているようで、ジャンパー線が飛んでいるのが見えます。あまり詮索しても、しょうがないので、このまま使います。

MPC60を開けて、FDDのケーブルを外します。

FDDを取付けてあるネジを外します。

FDDを固定している金具を外します。

ここで、問題発生。実は、MPC60のFDDは、AT機などのものとケーブルの配置が逆です。このFDDは、AT機のものを改造したもののようで、やはり、ケーブルを逆さまに接続しなくていけません。やむを得ず、ピンヘッダのボックスを壊して接続します。

動作確認です。AKAIのライブラリを読み込んでいます。問題なく動いているようです。

次回は、いよいよ、弊社で開発したMPC60用のSCSI インターフェースの取り付けと動作確認をします。