Ensoniq ASR-X にCF RaizinMonsterを内蔵させる

ユーザーさんからのリクエストで、宿題だったEnsoniq ASR-XにCF RaizinMonsterを内蔵させます。いろいろ、強引な部分がありますが、なんとか内蔵させました。

ASR-Xには、オプションのSCSIカードが必要になります。(ASR-X proには、標準でSCSIが付いています)

00_ASR-X_Photo

Ensoniq ASR-Xの操作パネルです。右下にFDDが付いています。FDDと交換で、CF RaizinMonsterを取り付けようと思います。

01_CF_Raizin_Monter_mini_D-SUB_Con

CF RaizinMonsterと特注で作ってもらったMini D-SUB 50pin – フラットケーブル50pin 変換ケーブルです。さすがに、高密度のMini D-SUB コネクターのハンダ付けのコネクターは存在しないので、圧接のコネクターになりました。

02_ASR-X_Rear_View

ASR-Xのリアパネルです。フラットケーブルを内部に引き込む穴などはなさそうです。

03_Inner_View

ASR-Xの内部です。中身は割と、がらんどうです。SCSIカードは、SCSIコネクターのネジだけで筺体に取り付けられています。(そんなんで大丈夫なのでしょうか?)

SCSIカードの上の筺体を削り取って、大穴を開けるというのも検討したのですが、結局、SCSIカードを外して、筺体内部でコネクターを接続させることにしました。

04_Removing_SCSI_Connector

SCSIカードを外します。なぜか、1.5mmの六角のネジが使われています。2本のネジだけでとまっています。

06_SCSI_Card

SCSIカードが外れました。

07_Wrapping_SCSI_Card

Mini D-SUBコネクターを接続して、D-SUB段ボール紙で絶縁しましょう。

08_Insutation_of_SCSI_Card

段ボール紙を、適当な大きさに切って、テープでぐるぐる巻きにして、SCSIカードを絶縁します。

05_Removing_FDD

FDDを外します。筺体の裏側4本のネジでとまっています。

09_Setting_Up_CF_RaizinMonster

FDDのかわりに、CF RaizinMonsterを取り付けます。ケーブルを配線して、出来上がりです。

10_System_Access_disk_Utility

Systemモードで、ディスクユーティリティーを選択。

11_Recognization_SCSI_Disk

SCSIをスキャンして、CFカードを認識させます。

12_Format_Disk

フォーマットします。

13_Format_Successful

フォーマット完了しました。これで、CFカードがメモリーカードとして使えるようになりました。取り外して、別のCFカードを使うには、同様にSCSIスキャンして認識させれば、使えるようになります。

今回の一番のポイントというか、難しいところは、高密度Mini D-SUBコネクターの変換ケーブルをどうやって入手するかということでしょう。当方でも、探しまくったのですが、既製品は存在しないようで、結局特注となりました。作ってもらえなかったとしたら、直接基盤からハンダ付けでSCSI信号を取り出すしか方法がありませんが、失敗すると大変なので、できればやりたくは無いです。

AKAI MPC3000のように、反響があれば、ケーブルを製品化するかもしれません。

Roland S-760 Sampler にCF RaizinMonsterを内蔵させる

 

Roland S-760とS-770のユーザーさんから、CF RaizinMonsterを内蔵させたいとのリクエストがありました。

早速、Roland S-760をネットで購入。S-760は、S-770と違い、内蔵用のSCSIコネクターがありません。SCSI CHIPから直接リード線を出すという強物のサイトもありますが、今回は外部SCSIコネクターからフラットケーブルを筐体内部に引き込んで、接続させる方法をとります。

04_Opening_Chasis

早速、S-760の筐体を開封します。側面と背面のネジを外して、トップカバーを開けます。

05_Inner_S-760_Stock

内部は、こんな感じ。意外と簡素なつくりです。

 

01_D-SUB_Conv_Cable_Parts

外部SCSI用コネクターと内蔵SCSI用のフラットケーブルの部品を揃えました。今回は、手作りで変換ケーブルを作ることにしました。

02_Climping_50pin_Connector

専用の圧接工具で、フラットケーブル用のコネクターをかしめます。コネクターの三角マークがついているポイントが、一番ピン(写真のケーブルでは、茶色のケーブル)になります。方向を間違えないように注意してください。

03_D-SUB_Conv_Cable_Soldered

D-SUBコネクターをハンダ付けします。

Print

SCSIケーブルの結線は、図のとおり。フラットケーブルの奇数の番号(1, 3, 5, 7…)のケーブルは使いません。D-SUBのコネクターのピン番号は、コネクターに小さく刻印されています。

07_Wiring_into_Chasis

ケーブルを拡張ポート用のシャーシの穴を通して、内部に引き込みます。

08_Preparin_for_Setup

Roland のサンプラーは、OSをシステムディスクから読み込んで起動させなくてはなりません。そこで、一旦、FDDとCF RaizinMonsterを同時に接続して、CFカードにOSを転送します。そのため、FDD用電源ケーブルを分岐させるケーブルを用意します。ケーブルは、AINEX社のものを使いました。

09_Boot_Up_from_FDD

FDDから起動させます。OSは最終バージョンを使用してください。最終バージョンのOSはRoland USAのサイトからダウンロードができます。

10_Format_CF

カレントディスクをHDDに選択して、FORMATをします。写真では、SCSI ID=5にCF RaizinMonsterが接続されています。

11_Save_System

OSをCFに転送します。転送が完了したら、CF RaizinMonsterをFDDと交換して組み付けます。

12_Jumper_FDD_Pin

Roland のサンプラーは、OSの起動時、カレントドライブ選択時などにフロッピーディスクの存在をチェックします。FDDを外すと、信号が帰ってこないので、OSがフリーズします。そこで、『FDDがちゃんとあるよ』という信号を直接返してあげないといけません。FDDの信号ピンをGNDに落として、この問題を回避します。

信号ピンは、26番と、34番ピンを25番、33番ピンとジャンパーピンでショートさせます。

Print

FDDのピンアサインは図のとおり。Track 0と、ReadyをGNDに落とします。

13_Boot_from_SCSI

CFからOSを起動させます。

14_Setup_Finished_Working

できあがりです。